投資家がIR面談で本当に確認したいこととは?

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投資がIR面談で本当に確認したいこととは?

新年度が近づきIR担当者の異動人事のお知らせメールをちらほら頂いています。今日は新しくIRに配属になるIR担当者の方、また「最近目標が見えなくなってきちゃったな」というベテランIROに向けたメッセージです。
IR担当者の日常業務は多岐に亘り、経営陣や他部署との調整、投資家対応などマルチタスクが求められる重要なポジションです。欧米ではCFOになる前の足がかりとなる必須ポジションと考えられているほどです。開示資料の準備や投資家対応など、あっという間に四半期(3ヶ月)が過ぎていくと伺います。
 
でも、日頃のタスクをこなすことだけに集中するのか、あるいはIR担当者って本来どんな役目なのかの本質的な意義を模索しながら進むのかで、3年後の「仕上がり」は全く違うと思っています。日常業務に埋もれそうな時、目標を失いそうなときに本日のテーマがみなさんの中長期の目標を見直すきっかけになったら嬉しいです。
 

Q:投資家がIR面談で本当に確認したいこととは?

A:投資家とのIR面談では色々な角度からの質問を受けますが、彼らが確認したいのは以下のポイントに帰結していくと私は考えています。
①ビジネスモデルの儲けのしくみとリスク
②その儲けのしくみを機能させることでどのように社会課題を解決できるか?(企業の存在意義とインパクト、その測定評価方法は?) 例:サプライチェーンに無理を強いていないかを客観的にモニターする体制
③ゴーイングコンサーンを前提とした企業として、事業環境とコーポレートガバナンスに係るリスクを認識し、機動的に対処できる体制とリソースを備えているか?
④社長に上記①~③を監督する代表者としての覚悟と、自覚はあるか?

 

Q:投資家が連絡したくなるIR担当者とは?

  A:ズバリ、投資家の仕事をしやすくしてくれる人です。まずは投資家ってどんな職業なのかを肌感覚で理解することが大事かもしれません。
 
投資家(アセットマネージャー)の立場
・高プレッシャー業務:毎四半期ごとに運用成績を顧客(アセットオーナー)から問われる
・調査時間の制約(調査対象企業の多さ)
・調査対象企業の開示情報の少なさ
・言葉の壁(英語開示資料の少なさ、日本企業との英語コミュニケーションに課題感)
 
投資家は高いプレッシャーのもとで仕事をしています。投資家が連絡したくなるIR担当者とは、自分の仕事をしやすくしてくれる人。具体的にIR担当者ができることはいくつかあると思います。
・質問への回答やメールは結論ファーストで簡潔にまとめる。
・メールに資料を添付しない。するとしても1MB以内で。できれば資料はリンクで案内する。
・外国人投資家とは通訳を通さなくてもある程度のコミュニケーションができるよう、実務と心の準備をしておく。
 
投資家とのコミュニケーションに課題を感じたときにはご連絡ください。
みなさんの悩みの元はどこにあるのか、壁打ち相手になれるのではと思っています。(大石)